【第12回】甘い誘いによる理事勧誘
このところ、NPO法人「地域産業文化活性化フォーラム」に目立った動きがない。この数日間は昼間から事務所に人がいないことも多いようで、電話したり直接足を運んでも応答がないこともあり、心配している取扱加盟店なども多い。
前回の換金日は、1月15日に請求し1月25日に支払われるという予定だったが、すでに告知されているように一部しか支払われず、多くの未払いが生じている。
どのような理由で「一部」が選ばれたかは定かではない。「相当強引に回収しようとした店や、事前に充分な準備をしていた店だけ払った可能性がある」という指摘もあるが、これも確実かどうか不明だ。
ただし、請求金額の多さや、NPO法人との親密な関係性によって選択された様子ではないことは確認している。
次の換金日は、1月31日請求の2月10日支払いだ。
「マイタウンmon加盟店様用 サービスのご案内」によると、「加盟店申込書に記載いただきましたお口座番号に上記支払い日に振込とさせていただきます」とあるので、2月10日に振り込むのだろう。10日は銀行が休みのため、明けて13日に振込が確認できなければ、またも債権不履行が生じてしまう。しかしながら、前回の換金すら未払い状態であるため、今回も未払いとなる可能性が高い。
フリーペーパー「マイタウンmon」の制作に関わった業者に対しても、次々と未払いが生じている状態であり、不履行の債務は膨らむばかりだ。
もし万が一、前回の請求で1月26日に支払われた取扱加盟店に対して、他の支払いが優先されずに今回も支払われたとしたら、支払い業者を選別している意図が見えてくるかもしれないが、それも絶望的な状況だと筆者は考えている。
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2月2日付けでNPO法人から発行された「加盟店各位様」という文書には、「本年2月中には理事長である私の個人資産を売却し、当法人の再建及び営利法人の設立・運営資金を作る所存です。つきましては、何卒皆様のご高配を賜りたくお願い申し上げます。※「文」の換金手順につきましては、改めてご案内を差し上げます。今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます」と書かれている。
しかし、それ以降1週間が経過し、まだ具体的な動きは見えない。
読んでもらえば分かると思うが、その文書には「いつまでに支払います」とは明記されていない。「2月中に個人資産を売却します」とだけ書いてあるに過ぎず、その金を寄付するかどうかも書いていない。
この点については、前回【第11回】の文末に事務局長から筆者に来たメールの中に「個人資産を売却して換金を行なう旨」と書いているが、文書の中でははっきりと確約していないのだ。
約束されているのは、「改めてご案内を差し上げます」ということだけ。
このような支払いに対する態度をとり続けていれば、取扱加盟店や未払いされている取引業者たちが次の行動に移りづらい事を見越しているのか。
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『東京新聞』に記事が掲載されてから、情報提供の協力者が大きく増えた。そしてこの間、取材を進めていく中で、このNPO法人の理事長や事務局長から「理事」になるように勧められた人物たちの存在が浮上してきた。やはり「預託金」と称して資金を出させ、毎月非常勤でありながら給料を出すと約束をしていたようだ。
例えば「預託金を100万円出していただければ、NPO法人に理事として迎えます。来月から毎月25万円ずつ非常勤理事として給料を支給しますので、数ヵ月で元が取れます。給料とは別に、預託金は1年後には返却することが可能ですので、損をすることはありません」という話を持ちかけているのである。
そして、実際に数百万円の出資をした人の存在が複数特定できた。
これが事実であるならば、これらは出資法の疑いがあり、理事の話を持ちかけられて「預託金」を出してしまった人たちは「被害者」である。地域通貨とは別の事件として発展する可能性もある。
法律のよって事件として発展するかどうかは別にして、「100万出せば数か月で元が取れて、1年後には元本も保証する」ということを臭わせて出資(預託金)を集うだけで十分に問題である。NPO法人がこうした問題行動をとり続けていることに対し、大いなる批判をしなくてはならない。
●“甘い誘い”による理事勧誘
●「5000万円」の架空資産を前提とした事業展開
●東京都のロゴと酷似した銀杏のマークを特殊印刷で
施した地域通貨
●職員募集の際に「文京区(NPO法人)職員募集」と
いうキャッチコピー(この件は、文京区のホームペ
ージで9月時点で警告されていた)
●業者や加盟店に対して支払いができない可能性が高
いにもかかわらず、支払日以降になってから未払い
を告知
●NPOが営利団体に組織改編できないにも関わらず、
非常に曖昧な表現でそれを告知する杜撰な説明
人のことを騙す意志があるかないか、司法関係者ではない筆者にとっては問題ではない。上記のような態度で事業を展開することは、社会的に大きな問題である。そのことは強く主張していきたい。
取材協力者の中には、「東京都が認定しているNPOっていうから信じていた」「よく知らないけどNPOって活動は大切なんだろ? できればこれからでもうまく行くといいね」と言う方が何人もいる。正確に数えたわけではないが、両手では足りないほどの人たちが、「NPOの活動」というだけで信じてしまっている。
筆者はあえて言うが、NPO法人「地域産業文化活性化フォーラム」は、こうした市民の善意を悪用していることは間違いない。
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筆者を中傷する怪文書が、文京区でばらまかれた。
よもやその怪文書に指紋などは残っていないと思うし、実際に誰が怪文書をばらまいたのかはまったく不明だが、怪文書には「mon加盟店です」とある。わざわざ筆者を中傷する郵便をだすような手間をかけるくらいなら、どうか今存在している「被害者」を支援して欲しい。
NPO法人の時間稼ぎに付き合わされて、どんどんと時間が過ぎていけば、未払い分を請求することに疲れてくることもあるだろう。こうした「被害者」たちを応援する方法はいくらでもある。
実際に周りに被害者がいれば、諦めないでと応援してあげることもいいだろう。
事実を誤解して筆者たちに抗議を送られる方がいるが、そのエネルギーがあるならば、どうかNPO法人にもプレッシャーをかけて欲しい。多くの未払いが生じていることは、NPO法人が正式に認めていることだ。関連する行政官庁などに問い合わせてもらえれば、問題が事実であることの一端も分かるだろう。
取扱加盟店に送られている郵便物の中には、NPO法人関係者の出身地からほど近い郵便局の消印があった。そんな遠方からわざわざ郵便物を出すことが、何を示唆しているのかわからない。
NPO法人の事務所は、冷蔵庫などの電化製品が外に放置され、人の気配が消えかかっている。
理事長と事務局長は、今後、どのような行動に出るのだろうか……。
